十三回忌 act.3

 法要は和やかな雰囲気で無事終わり、俺達がマンションに
戻ったのは、深夜に近かった。
「ヒロ、まだ起きてたの?」
 先にシャワーを済ませた俺が、ベッドでパソコンのメール・チェック
をしていると、岸森がバスローブ姿で寝室に顔を出した。

「今日は本当にお疲れ」
 労いの言葉をかけると、岸森はふわりと微笑んだ。
「うん、ヒロもお疲れさまでした」
 一樹との対面が決まって以来、岸森はずっとナイーブになって
いた。それが終わった解放感からか、今は表情が伸びやかで、
ドキドキするくらい綺麗だ。

「愛してるよ」
 無意識のうちに俺の口をついて出た言葉に、岸本は
嬉しそうに破顔した。片膝をベッドに乗り上げて、唇を重ねてくる。
その柔らかい唇を受け止めながら、そっと舌を絡ませると、
岸森が慌てて身を引いた。
「ダメだよ。ヒロは明日の仕事に備えて眠らなくちゃ」

 岸森が俺の体調を気遣ってのこととわかってはいるが、
俺は岸森が欲しくて堪らない。
「直記……」
 熱っぽく囁くと、岸森は困ったように逡巡し、やがてヤレヤレ
って顔で再び唇を重ねてきた。今度は官能を誘い出すエロティックな
キスをたっぷり味わう。

 バスローブの合わせ目から掌を忍び込ませ、小さな胸のしこりを
摘むと、岸森の唇からあえやかな吐息が漏れた。快楽の時間の
始まりだ。

 数週間ぶりに訪れた岸森の胎内は、いつにも増して熱くて狭くて、
きゅうきゅうといい具合に俺に吸いついてくる。甘えるように俺に
すがりつく岸森が愛しくて堪らない。岸森とセックスしていると、
しみじみセックスは共同作業だなぁと思う。

「直記……も…だめだ――持たないっ!」
「は…ぁん……ヒロ、一緒に……」
 最奥のイイトコロを切っ先で強く抉ってやると岸森は白い喉を
仰け反らせて弾けた。

「アッ、アッ…ア――ツッ!!」
 絶頂の証を迸らせながら細い身体が激しく痙攣する。
隘路の締め付けを堪能しながら、俺も欲望を吐き出した。

 脱力して、しどけなく四肢を投げ出した岸森の額に
そっとキスを落とすと、長いまつげに縁取られた瞼が上げられた。
物言いたげにじっと俺を見つめる岸森が妙に幼く見えて、
俺は何だかドギマギしてしまう。

「どうした?」
 優しく問いかけると、岸森は恥ずかしそうに呟いた。
「今日のヒロ、凄かった。我慢してくれてたんだね。ここんとこ
僕が神経質になってたから」
 チラリとコンドームに溜まった精液に視線を向けられ、俺は
赤面した。

「たまには“おあずけ”もいいかもな」
「そうだね」
互いに顔を見合わせて笑う。

やがて岸森がぽつりと言った。
「一樹君に会って、少しだけ胸のつかえが取れた気がするよ」
「そっか、良かったな」
 一樹の件で、神経をすり減らしたのは無駄じゃなかったとわかって、
俺は嬉しかった。

「一樹君は、何でも相談できる親友って、いないのかな?」
 岸森が、ちょっと心配そうに呟いた。それからベッドに起きあがると、
俺の分身からコンドームを外してゴミ箱に入れる。
「どうかなぁ」
 甥とはいえ、離れて暮らしているから、俺は全く一樹の私生活を全く
知らない。冷めた眼をした一樹の顔をぼんやり思い出していると、
岸森がティッシュで俺の分身を清めてくれた。

「僕はヒロがいてくれて本当に救われたよ。あの頃は、ヒロがこ~んな
スケベな奴とは知らなかったけど」
 言われて下半身に目をやると、俺の分身は再び頭を持ち上げていた。
岸森は呆れたように肩を竦めると、箱から新しいコンドームを取り出した。

             END

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