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ライオン・90

 女性記者と別れると、大聖はすぐに坂本に電話した。大切な相談があるから
今すぐ会いたいと、子どものように駄々をこねると、坂本は不承不承、
時間を作ってくれた。

「ワガママ女王様がご機嫌斜めで大変なのに、急用って何だよ?」
 結花の高飛車ぶりに振り回されているのか、坂本は疲れた顔をしていた。

「企画書の書き方、教えて欲しいんだ」
 事務所近くの喫茶店で坂本を待っていた大聖は、意気込んで言った。

「はあ? おまえが企画書?」

 頭を使うのがあまり得意ではない大聖だ。その彼が、自分で企画書を書き
たいと言うのに、坂本は目を見開いた。

「俺、ベネチア国際映画祭に行きたいんだ。だから、企画書作って自分で売り込む!」
「売り込むって、どこに? 誰に?」
「どこがいいと思う?」

 坂本は思わず眉を顰めてしまった。大聖の心意気は買ってやりたいが、
いかんせん段取りや根回しに欠けている。

 ベネチア国際映画祭は、高い芸術性を評価する傾向がある。そういった作風の
監督は、大衆向け作品の仕事が多かった大聖を嫌うだろう。

「わかった。考えてやるから、二、三日時間をくれ」

 坂本は、自分の面倒見の良さに呆れながらも、久しぶりに見る大聖の生き生き
とした瞳が嬉しかった。 


大聖が『ムーン・セレナーデ』で軽く飲んで午後8時過ぎに帰宅すると、笙がドアの
前に座り込んで待っていた。由美が持たせた総菜を詰めたパックや、クリーニングから
戻った服など、荷物がどっさりだ。

「笙! どうした? 中で待ってればいいのに」
「大聖さんが部屋にいると思って、伯母さんに鍵を借りてこなかったんだ」

 本当は鍵を借りてきたのだが、勝手に入って、生けられた花や女物のハンカチ、
長い髪が落ちているのを見つけてしまうのではないかと怖かった。

「だったら、なんで電話しないんだよ」

 大聖は急いで鍵を開けると、てきぱきと荷物を中に運び込む。笙は、それを
ぼんやりと見ながら、言い訳のように呟いた。
「すぐ帰ってくるかなって思って……」

「で、今夜は泊まっていけるのか?」
 大聖は玄関ドアが閉まらないよう押さえると、動こうとしない笙を招き入れ
ながら訊いた。それは、セックスしてもいいのか? という質問と同義だ。
笙は耳まで真っ赤になりながら肯いた。


 その夜の大聖は、とてつもなく優しかった。初めて身体を繋いだ時のように
時間をかけて笙の蕾を解し、卑猥な言葉で巧みに笙の官能を高める。快感に
弛緩した笙の身体は、いつもより奥深くまで大聖を受け入れることができた。

そして、大聖はついに笙の快楽の鉱泉を探り当てた。

 笙は、最奥に隠されたその場所を突かれると、これまで経験したことのない
快感を得ることができた。セックスが気持ちいいものだと、初めて思った。

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