FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ライオン・102

「笙くんは若くして名声も富も手に入れてしまったからね。お祖母さんに
してみれば、逆にそれが危なっかしく感じるんだろう。しっかり者の
お嫁さんを宛がって、君を支えてもらおうという目論見は悪くない。
だけど、君は本当に大聖を諦められるのかな?」

 淡々と問われて、笙は急いで首を横に振った。見合いしたのは、単に大聖が
「普通に結婚して子どもを作れ」と言ったからに過ぎない。

「気持ちを残したまま結婚するのは、相手の女性に失礼だよ」
「だって……だって、大聖さんが――」
 まるで自分の不実を責められているようで、笙は半泣きになった。

「だったら笙くんは、大聖に死ねと言われたら死ねるのかい?」

 坂本が意地悪く訊くと、笙は迷うことなく当然とばかりに答えた。
「大聖さんがそうしろって言うなら」

 これにはさすがに坂本も怯んだ。大聖が笙を重荷に感じるのも道理だと納得する。

「相手の言葉を鵜呑みにするんじゃなく、その裏にあるものを考えるんだ。
君はもう少し駆け引きってものを学ばないといけないな。でもまあ、それが
できれば、こんなことになってないか」

 坂本は溜息吐くと柱の陰に向かって声を掛けた。
「大聖、立ち聞きするなんて、行儀が悪いぞ!」

「わりぃ、俺はただ……笙に、この間のことを謝りたくてさ、出る
タイミングを計ってただけで……」
 柱の陰から現れた大聖は、決まり悪そうにもごもごと言い訳した。

「だったら笙くんはおまえに預けるから、きちんと仲直りしろ。俺は
幸宏が待ってるから帰る」

 坂本は笙の背中を大聖の方へと押しやると、わざと突き放したように言った。
笙は困惑して立ち尽くしたままだ。

「笙、俺の車、こっちだから」

 ぶっきらぼうに言うと大聖は笙に背を向けた。混乱しながらも、笙は
その背を慌てて追いかけた。

にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
にほんブログ村
↑ランキングに参加していますので、ポチしていただけると励みになります(*^_^*)

前へ  目次  次へ
スポンサーサイト

テーマ : 自作BL連載小説
ジャンル : 小説・文学

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

RSSリンクの表示

最新トラックバック

プロフィール

ブランシェ

Author:ブランシェ
まったり更新中です。

最新記事
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

フリーエリア
リンク
QRコード
QRコード
最新コメント
月別アーカイブ
 
無料アクセス解析
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。